はじめてのルアー

　先週から、もうすぐ始まる博物館の特別展の準備で走り回っています。日時と内容が決まったらお知らせしますので、ぜひお越し下さい。

　今回は江戸時代に書かれた絵図と地誌（ガイドブックみたいなの）を元に色々と特産物や名所旧跡を紹介するのですが、使っている地誌の一つに『三国名勝図会（さんごくめいしょうずえ）』というのがあります。
　これは、島津氏が江戸時代に治めていた薩摩・大隅・日向（南部）の3カ国の各郷の自然・寺院・神社・名所旧跡・特産物を編纂したものです。幕末に編纂が始まり、明治になって刊行されたものなのですが、読むと結構面白いんです。
　例えば、特産品のところでは、鉱物・動物・鳥類・魚類・漢方薬・キノコ類なんかが掲載されています。川辺郷で言えばこんな感じです。
　鉱物：鉄・錫
　動物：イノシシ・タヌキ
　鳥類；キジ・ヤマドリ・鶏卵（浪華（なにわ・大阪）へ売る）
　魚類：コイ・フナ・ウナギ・ハヤ・スッポン
　川辺は海がないので魚類は淡水魚ばかりですが、当然海のある加世田や坊津ではカツオなどの海の魚が列挙されていますし、場所によっては「海獺」という動物も出てきます。これは辞書で調べるとアシカなどの海生哺乳類をさす場合と、ラッコをさす場合があるようです。動物にしても、現在とは生息域が異なるものがあり、とても興味深いです。例えば、ツルがあちこちの産物で出てきたり、挿絵の中に描かれていたりします。
　本文は活字ですが、漢文でしかも現在使われていない漢字で書かれているので、読みにくいですが、ところどころに挿絵が入っているのでそれを見るだけでも面白いです。鹿児島県内の図書館ならたいがい置いてあるので、機会があったら読んでみてください。